社会医療法人 医真会
医真会八尾総合病院 看護部

教育・新人のあゆみ


新人看護職員研修


看護職員研修 看護職員研修

2024年度 新人看護師のあゆみ

目次


 
オリエンテーション

医真会八尾総合病院では、新人看護師が先輩看護師だけではなく、すべてのスタッフから支援される環境を大切にしています。入職してから、新人看護師は黄色いストラップを名札につけます。この黄色いストラップは、まだ学びの途中であり特別な配慮とサポートを必要としていることを周囲に知らせるためのシンボルです。

なぜ黄色いストラップなのか?
黄色は注意を引き、親しみやすさを感じさせる色です。この色を選ぶことで、新人看護師への積極的なサポートと温かい歓迎の気持ちを表現しています。また、この目立つ色は、患者さんや他のスタッフからも容易に新人と認識され、必要なサポートや指導が行いやすくなります。


 
移送・ミキシング研修

看護の基本となる看護技術の習得は患者さんの安全と快適を確保するために欠かせません。研修を重ねるごとに、新人看護師たちは患者さん一人ひとりに寄り添う心を育て、プロフェッショナルなスキルを磨いていきます。移送研修では、患者さんをベッドからストレッチャーへと移動させる演習に取り組みました。そして患者体験として、床にわざと段差を作り、ストレッチャーに実際に寝て、移動中に段差があると体にどれだけ衝撃がくるかを実感しました。患者さんの感じる不快感を理解して、その不快感を取りのぞくためにはどうしたらよいのかを考えることができる研修です。

ミキシング研修
ミキシング研修は、薬剤調合の精度を高めるための重要なプログラムです。
この訓練では正確な薬剤の計測と混合方法を学びます。

 
採血演習

医真会八尾総合病院では、新人看護師がより高度な医療技術を習得するため、実際に看護師同士での採血演習を行っています。実際に自分たちで採血を行い合うことで、技術の正確性を高めると同時に、患者さんがどのような感覚を体験するかを直接理解することが可能です。演習では、新人看護師が互いに採血を行い、その過程で感じること、学ぶべき点が直接的に共有されます。この実践的なアプローチは、技術の習得だけでなく、患者さんに対する共感の深化にも寄与しています。痛みや不安を最小限に抑えながら採血を行う方法をくりかえし学ぶことで、新人看護師は患者さんへの細やかな配慮をしっかりと身につけます。研修中は、医師をはじめ他職種のスタッフも協力し、血管提供をしてくれています。


 
急変対応・BLS①

新人看護師向けに行われている一次救命処置(BLS)研修は、実践的な教育を行なっています。この研修では、患者さんの状態が急変した際にどのように対応すれば良いか、心肺蘇生(CPR)や自動体外式除細動器(AED)の使用方法など、命を救う技術をしっかりと身につけます。 研修は、ただ聞くだけでなく「やってみる」ことに重点を置いています。部署配属の前のこのような経験は、実際の状況に遭遇した際に冷静かつ迅速に行動できるよう、新人看護師の自信を大きく高めます。 この研修を経て、新人看護師たちは個々のスキルはもちろん、チームとしての連携も深めています。新人看護師が日々の業務で直面するかもしれない困難な状況に備えるためのサポートと研修を提供しています。


 
感染予防研修

医真会八尾総合病院では、患者さんとスタッフの安全を守るため、感染予防対策に力を入れています。特に新人看護師向けの感染予防実習では、以下の重要なプロセスを学びます。
1.個人防護具の正しい着装と脱ぎ方:正確な手順をマスターすることで、感染リスクを最小限に抑えます。
2.正しい手指衛生方法とベッドサイドでの感染防止対策:日常的なケアの中で最も基本的かつ重要な手順です。
3.目に見えない蛍光塗料を使用した実習:ウイルスに見立てた蛍光塗料を、感染予防着に塗布したあと、正しい手順で着脱後にユニフォームをブラックライトで照らし、蛍光塗料がユニフォームに付着していないかを確認します。
これにより、正しく脱着できたのか目で見て理解することができます。感染リンクナースの先輩看護師と一緒に行うこの研修を通じて、新人看護師は感染症対策の理論だけでなく、先輩たちから直接アドバイスや指導を受けながら技術を身につけることができます。

 
配属部署オリエンテーリング

医真会八尾総合病院では、新人看護師が自分の所属する部署の環境を深く理解するために、配属部署オリエンテーリングを実施しています。この研修では新人看護師が自分たちで配属部署内の構造を確認していきます。具体的には、病棟内の部屋の配置・病室内のベッド配置・酸素供給装置の位置、トイレの場所、医療材料の保管場所、消火器の設置など、日常業務に不可欠な要素を、部署の先輩看護師たちに質問しながらチェックします。これらの情報を基に、新人看護師は自分の部署の地図を模造紙に描き起こし、その地図を使って上司や先輩看護師の前でプレゼンテーションを行います。 この研修をとおして新人看護師にとって部署の物理的な構造の理解だけでなく、先輩看護師とコミュニケーションをとるよい機会となります。さらに、スピーチを通じて自己表現力やコミュニケーション能力の向上も期待されます。このようにして、新人看護師はより効率的かつ効果的に業務を遂行するための準備を整え、患者ケアの質を高めることができます。

 
衛生材料の取り扱い

医真会八尾総合病院では、新人看護師を対象に手術室スタッフによる衛生材料の取り扱い研修を実施しています。研修では、中央材料室で行われる滅菌方法について学びます。具体的には、オートクレーブ滅菌、EOGガス滅菌、プラズマ滅菌の三種類の滅菌方法が紹介され、それぞれの特徴と適用例について詳しく説明されます。 次に、手術室で使用される鋼製小物の滅菌物の正しい開封方法を学びます。正確な開封手順を守ることが手術の安全性を確保するために重要であるため、新人看護師たちは実際に手を動かして実習を行います。 さらに、滅菌物の取り扱いについても詳細に学びます。具体的には、滅菌袋の破損を確認する方法や、滅菌状態が確保されているかをチェックする手順について、実例を交えながら説明されます。これにより、滅菌物が適切に保管・使用されているかを確実に確認できるようになります。 この研修を通じて、新人看護師たちは、衛生材料の重要性と取り扱いの精度が医療の質に直結することを深く理解します。医真会八尾総合病院は、このような徹底した教育を通じて、新人看護師が高い専門性と実践力を持って現場に臨めるようサポートしています。

 
ME機器の取り扱い

医真会八尾総合病院では、新人看護師を対象にME機器(医療機器)の研修を実施しています。この研修では、病院内で日常的に使用される輸液ポンプやシリンジポンプの操作方法を実践的に学びます。 まず新人看護師は実際に機器を操作しながら、電源の入れ方や調節方法を習得します。輸液ポンプとシリンジポンプの設定方法、投与速度の調整など、基本的な操作を一つひとつ体得していき機器が正常に動作しているかを確認するチェックポイントについても、詳しく学びます。 次に、アラームが鳴った時の原因と対応方法を学びます。アラームは機器の異常や投与の中断を知らせているので適切な対応が欠かせません。新人看護師は、アラームの危険性を理解し、素早く的確に対処する力を身につけなければなりません。これにより、患者の安全を確保しながら、臨機応変な対応ができるようになります。 このように、研修を通じて新人看護師はME機器の正しい使い方と重要性を体得します。実践を重視した研修により、現場で自信を持って高度な医療機器を扱えるよう育成されます。

 
急変対応・BLS②

医真会八尾総合病院では、新人看護師向けに急変対応・BLS研修を2回にわたって実施しています。 1回目の研修で基本を学び、2回目は夜勤導入の前に、より実践的な内容に取り組みます。2回目の研修では、教育委員の指導のもと、胸骨圧迫やバッグバルブマスクを使用した正確な換気方法を実践しまた、自動体外式除細動器(AED)の使用訓練も行い、迅速かつ的確な対応力を養います。 さらに、心肺蘇生がベッド上だけでなく様々な場所で必要となる可能性を考慮し、床やトイレなど異なる環境での訓練も実施します。これにより、新人看護師はどのような状況でも冷静に対応できる能力を身につけていきます。この段階的で実践的な研修プログラムを通じて、当院の新人看護師は確かな技術と自信を獲得しています。